最初、この写真を見たときには嫌悪感しかなかった。

それでも母は「一応持っておいてよ。手元にずっとあれば愛着も湧くかもしれないし……」と言って無理矢理私に押しつけた。

嫌悪感しかない写真。でもお母さんに持っていてと言われた私は、写真を裏側にして手帳に入れていた。

単純に目障りだったから……。

その後に、実物の兄さんと出会った。

私がかなり幼い頃だ。

兄さんは写真より少し男前だったけど、やはり私は気にくわなかった。

なんか気にくわない独特の雰囲気を持っていたのだ。

爽やかというか……リア充というか……とりあえず、根暗な私からしたら、新しく出来た兄は気にくわない対象でしか無かった。

「……くす」

というのは嘘。

私はずっと兄さんを嫌い

そう思い込もうとした。

子供の時は何度か兄さんに助けてもらった事がある。

まだ別々に暮らしていた頃だ。

好きになってはダメだから、この写真は目障りだったし、兄さんの存在が気にくわなかったんだと思う。

写真はその後もずっとずっと持ち続けた。

相変わらず目障りだったので裏返しのままだったけど……。

いつしか、一日に何度も兄さんの写真を手帳から取り出して見つめていた。

何度も、何度も……兄さんの写真を取り出しては見つめて過ごした。

だから、写真はこんなぼろぼろになっている。

「兄さん……くぅ……」

「っっ!?」

「わ、私一体何をっっ」

もしかして、学校の……しかも授業中に無意識で触ってるなんて……信じられない。

「う、嘘だよね……」

でも間違いなく、指先で自分のあそこを触っていた。

どのぐらい前からさわり始めたのか自分でもよく分からない。

でもすでに声が漏れるぐらい気持ち良かったわけだから、触った瞬間に気がついたわけではなさそうだった。

「昨日、手縛って寝たから? まさかそれで欲求不満で学校でまでやっちゃうなんて……私」

「っっ」

「ダメ、ダメ、信じられないっ。だいたい昨日だってあんだけオナニーやっているんだから……なんで一晩我慢しただけで……」

私は目をつぶり、手を握りしめる。とりあえずそんな気にならない様に……。

そんな気にならない……様に……。

兄さん……。

兄さん昨晩、私が送った写真つかったのかなぁ。

私がこんなんだから、兄さんだって同じだよね。

すぐにスイッチ入っちゃう。

すぐにHな気分になって……自分で触っちゃう……。

だから……、たぶん兄さんも昨晩は何度も……何度も……。

「兄さん……っく」

「兄さんも同じだよね……兄さんもこうやって……」


※サンプルシナリオは製品より一部抜粋編集してあります。ご了承下さい。