いや、状況的には私の方が人として終わっている。だって兄さんが手にしていたのは洗濯済みだけど、私が持っているのは洗濯前だ。

「せ、洗濯前か……兄さんがもしそんなもん持ってたら、この前の程度じゃ許さないんだけどね……」

この前、兄さんが手にしていたのは洗濯済みの私のパンツだった。

もし仮に、洗濯前だったらどうしたのかな?

なんか、そんな事を突然思った。

「兄さん……私のパンツの……に、匂いとか嗅いだりするのかな?」

いや……さすがに兄さんはそこまで変態では無い。

たぶん、兄さんの事だから洗濯前のパンツだったら握ったりしないだろう。

「だいたい匂い嗅ぎたいとかあんまり思わないよね……そんな私じゃあるまいし……っっ!」

自分で言って驚いた。

いやギャグのつもりか何かだったと思う。

ただ自分で口にして、始めて自分が何を考えてるか分かった。

「いや、いくら何でもやばいし、ただ言ってみただけだし……そんな事思ってないし……本当に……」

オナニーの回数が多いのは、たしかに女の子として致命的ではあると思う。正直、それで十分に変だ。

でも、それは、なんかまだ許せる範囲だと思う。もし仮に結婚して旦那様が出来た場合。その旦那様にオナニーの回数を告白しても、何とか許してもらえる範囲な気がする。

私自身、旦那様がそんな事ばかりやっているのを知ったら、少しひくけど、そこまででは無い。

そんな事で旦那様を嫌いになったりはしない(と思う)。

でも、もし仮に、洗濯前の下着の匂いを嗅いだ事があると告白されたらどうだろう?

正直、ひくと思う。

その旦那様には悪いけどひくんじゃないかと思う。

だから私基準に照らし合わせても、それは絶対にやってはいけないレベルのものだ。

「そ、そんな事したら、へ、変態だよね……あははは」

ためしに、私は兄さんのパンツを顔に少しだけ近づける。

「や、やっぱり、そんな事したくないよね」

確認した。大丈夫。そんな事を望んではいない。

もう少し近づけてみる。

別に大丈夫だ。

さらに近づける。

「あれ? もしかして兄さんのパンツって少し匂う?」


※サンプルシナリオは製品より一部抜粋編集してあります。ご了承下さい。